事業計画書は、投資計画、売上計画、収支計画、資金調達計画、返済計画から成り立っています。
そして事業計画書の仕上がり次第で金融機関の融資や補助金の採択が左右されるからです。
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数値を設定する
事業計画の作成では、作ったコンセプトに具体的な数字に落としこんでいく作業をします。事業計画は、主に、資金調達資料、関係者への説明資料に使います。
事業計画の作成のポイントは、設定した数値の根拠を明確にすることです。売上を500万円に設定したとして、なぜそれが実現可能なのか、なぜそのターゲットなのか、なぜその場所で開業するのか、なぜその業種・業態なのか、そもそもなぜ開業したいのか、目的は何なのか、など、時代背景や、経歴・経験も踏まえて、そのお店を出店すべき理由をクリアにします。
事業計画に盛り込むべき計画は、
「コンセプト」どんな店をやるのか
「投資計画」予算はどのくらい必要なのか
「売上計画」いくら売上られるのか
「収支計画」利益はいくら残るのか
「資金調達計画」どこからいくら調達するのか
「返済計画」毎月いくら返済するのか(税引き後利益+減価償却費=返済の原資)
の6項目です。
事業計画では、数値計画が当てずっぽうになりがちですが、売上計画は手堅く、かかる費用は多めに見積もるなど、最悪を想定して余裕ある計画を目指しましょう。
予算の必要額
投資計画は、事業の生命線でとても重要です。計画段階での計上漏れは、資金不足や収支のズレなど、危機的な問題を引き起こしますので、必要な費用はすべて予算化するようにします。
飲食店開業に必要な費用は、物件取得費用、店舗工事費用(インフラ・内装)、店舗機器費用(厨房機器・水廻り・照明・空調等)、什器備品費用、開業準備金(求人・広告・仕入れ・人件費・水道光熱費・通信費等)、運転資金など主に6項目です。
予算はまずオーバーしますので、確定総額の10%程度を予備費として計上しておくと安心です。
売上はいくら?
売上計画は業種・業態によって全然違いますので、一日に何人集客できるのか、ということが重要です。
売上高は、客単価×客数で求められます。客数は、近隣のマーケティング調査をすることにより、競合店と獲得シェアのバランスで想定来客数を求めることができるので、もし自信がない場合は、エリアマーケティングを行っている会社や専門家に相談してみるとよいでしょう。
月間売上高を求める場合、時間帯によって客単価が違う店舗は、昼と夜、平日と週末、テイクアウトなど別々に計算します。
売上計画では、平常時計画のほか、低調時、好調時の3パターンを想定しておくと計画の妥当性が生まれます。
「売上計画」を裏付ける資料として、「商圏調査レポート」および「販促計画」も添付すると、より計画の具体性・合理性を訴えることができます。
利益はいくら?
収支計画では、売上計画に対しいくら利益が残るのかを検討します。つまり、ランニングコストを計算します。
ランニングコストには、固定費と変動費があります。固定費とは、売上が変動しても額が変わらない費用のことで、家賃、減価償却費、リース料などがあります。個人店では、オーナー給与も算入する場合があります。
変動費とは、売上の変動により変わる費用のことで、原材料費、オーナー以外の人件費が大半を占めており、これを一般的にFLコスト(Food Labor Cost)とよびます。飲食店の場合FLコストは60%(F30%、L30%)が目安とされますが、業種業態により異なります。その他の変動費としては、水道光熱費、物件費(備品)、販売促進費、雑費他があります。それぞれ売上に対し何%を占めるのか把握しましょう。
収支計画では、全体で利益が出るかどうかを検討することが重要です。利益が出るように業態の見直しが必要になります。